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まちづくりコラム:”おいしい海を、みんなに届けたい!”ーーTOREI×ハチカフェ、特別コラボが実現。「東洋冷蔵株式会社」

今回のまちづくりコラムのテーマは、「まちと人、企業をつなぐ」ハチカフェと企業のコラボ企画について。

東洋冷蔵株式会社(TOREI)は、1971年に設立され、世界の海と日本の食卓を結ぶ、国内トップクラスの”水産総合商社”。

市場やスーパー、回転寿司チェーン店などで確かな存在感を示してきた東洋冷蔵。
同社が大切にしてきたのは、魚を販売するだけではなく、魚食文化を広め、未来へつなぐこと。その想いをもっと多くの人に届けたい――。
そんなきっかけから、今回カフェという新たなフィールドでの初コラボが生まれました。おさかなコラボとして、3月7日「さかなの日」から4月30日まで、期間限定のおさかなコラボメニューをお届けしました。

本記事では、コラボイベントの成果を振り返り、今後の展望をテーマとして、東洋冷蔵株式会社(TOREI)担当者横内様・小関様(以下敬称略)との対談の内容をご紹介します。

→ハチカフェについて

目次

魚食文化を未来につなぐ、新しい発信の場。

今回のコラボレーションについてのきっかけと背景を教えてください。

横内(東洋冷蔵):東洋冷蔵は水産商社なので、水産業界の中では一定の知名度がありますが、それだけにとどまらず、海の豊かさを守り、魚食文化を広め、美味しく安全な海の恵みを未来につなぐという取り組みも大切にしています。
さまざまなおもしろい挑戦をしているのに、それがまだ十分に伝わっていないのではないかと感じていました。今回のカフェとのコラボは、東洋冷蔵のお魚のおいしさをより多くの人に知ってもらえるきっかけになる、新しい挑戦だと思いました。

小関(東洋冷蔵):TOREIの商品はどうしても『和』の食材というイメージが強く、商品ポスターも筆文字で描かれています。一方で、ハチカフェさんはまったく違うフィールド。ケーキを見て『わーっ!』となるような楽しさがあり、お店もインスタもオシャレで、『おしゃれすぎて大丈夫かな』と少し心配になるくらいでした。

平良(エイトデザイン/ハチカフェ):恐縮です。私たちも、大手のこんなに大きな会社さんがうちとやってくださるなんて夢にも思っていませんでした。エビとサーモンとマグロ、シェア、トップクラスじゃないですか。小さな規模のカフェですので、通常のお店とのやり取りとは物流量も大幅に違いますし、最初はお役に立てるのかすごく不安でした。でも、どんなことができるのか楽しみでワクワクも大きかったです。

小関(東洋冷蔵):ハチカフェさんは過去のコラボ経験があり、ノウハウを持っているとのことで、『こうしたらどうか』という具体的なアドバイスをいただき、一緒にメニューを作り上げられたことがとてもありがたかったです。良いものにしていこうというワクワク感ある中で進めていったことで、社内も『何か新しいことをやり始めたな』という空気に包まれ、期待値も自然と上がっていきました。

アイデアを形にする時間

メニューを考案する上で、大変だったことはありますか?

横内(東洋冷蔵):弊社のお取引では、数百キロベースで納品させていただくことが多いんです。なので、営業を巻き込んで、小分けか小規模単位で納品できる商品があるか、さらに、おにぎり用のフレークが良いのか、切り身が良いのか、といった商品を探し回るのに苦労しました。散々悩んで行き着いたのが海鮮丼用の四角いダイス型サーモンでした。あれがあんなにおしゃれで美味しいサンドになるとは思っていなかったです。材料の使い勝手はいかがでしたか?

平良(エイトデザイン/ハチカフェ):サーモンはカットされた状態で届いたので、とても扱いやすかったです。普段サンドイッチで使う薄切りのサーモンとは違い、ダイス型にカットされているインパクトに驚きました。
ただ、刺身に近い魚がパンに入っているなんて、最初は正直想像がつきませんでした。ご飯の方が合うのではと思える素材を、サンドイッチでおいしく提供できるのか、お客様の反応も読めなくて。チーム内の試食では好評だったものの、最初はとても緊張しました。
でも実際に提供してみると、お客様の反応は予想をはるかに超えました。正直、想定以上の数が出て、追加注文するほどのヒットに。TOREIさんと一緒に取り組まなければ、絶対に生まれなかった商品だと思います。たった1か月の限定サンドイッチでしたが、最大で5回もリピートしてくださるファンが生まれるほど、非常にリピート率の高いメニューになりました。

他にもこだわりポイントはありますか?

横内(東洋冷蔵):ファミリー向けのハチカフェさんだからこそ、家族での来店がより特別になるよう工夫しました。まず、楽しんで食べていただけるように、こだわったのは「ネーミング」ですね。課内でさんざん考えました。

小関(東洋冷蔵):「この言葉が入ってたら買いたいよね」って入れたい言葉を考えて、候補もたくさん出して、その中から選び抜いた名前です。

平良(エイトデザイン/ハチカフェ):売る側としては、ネーミングにも助けられましたね、「神の海老 カプレーゼサンド」「チリサーモンとアボガドのポキサンド」などはとてもわかりやすかったです。

コラボが実を結ぶ、お披露目パーティ。

コラボメニューのお披露目パーティーをハチカフェで実施しましたが、当日の反応はどうでしたか?

小関(東洋冷蔵):ご縁のある水産系の大学の先生や学生さん、地域のみなさん、新聞社の方などをお呼びし、TOREIの新たな挑戦をお披露目する場としました。さらに、TOREIの加工や営業メンバー、ハチカフェの皆さんをはじめ、さまざまな人の想いがこもった商品であることを伝える場、そして魚に関する交流の時間を作ることも意識してプログラムを考えました。
商品の説明を営業メンバーから行い、さらに、サーモンについては大阪支店の加工メンバーからのメッセージを撮影した動画を配信しました。商品のお披露目という場でもあったため、開発までの裏側を知っていただけたことは、私たちにとっても貴重な体験となりました。

横内(東洋冷蔵):社外の人を呼んでパーティーをするなんて、やったこともなかったので、来ていただいた人みんなで魚食文化を考えるワークを取り入れたり、どうやったら良いかなというのを試行錯誤しながら考えて、でもせっかく来てもらったからには、もちろん商品をおいしく食べていただきたい、体感してもらうことも大切にしました。

小関(東洋冷蔵):社長や役員もノリノリで、最後に「楽しかったね」と言ってくれたり、参加していただいた学校の先生や新聞社の方もいまだに「楽しかったですね、あの日」って言ってくれて。さらに、そこにいた学生が新卒採用へ応募いただいたりという思いがけない嬉しい効果もありました。

平良(エイトデザイン/ハチカフェ):すごく温かい会社なんだなっていうのが伝わってきて、会社の雰囲気が素敵だなというのをすごく感じました。TOREIさんとお取り組みができて、私たちも幸運だなとも思いましたし、私たちも楽しみながら取り組ませていただきました。ビデオレターもとっても嬉しかったです。

形になった想い、心に残る瞬間

TOREIの強みはどう活かされたと思いますか?

横内(東洋冷蔵):TOREIの商品は安全でおいしい水産物が強み。ハチカフェさんのおかげでそれが多くの方に伝わって良かったなと思います。

小関(東洋冷蔵):BtoBの企業なので、消費者にはなかなか想いどころか、名前も商品すらなかなか伝わりにくいものであります。もちろん、ストーリーは弊社のホームページでも記載はあるのですが、消費者の方はそこに行かない限り知ることができない中で、こういった強みをオープンに伝えていただく場をいただき、まさに新しい挑戦となる、とてもありがたいコラボでした。

横内(東洋冷蔵):今回のコラボを通じて、TOREIの商品をより多くの方に届けられたことが本当に嬉しかったです。
この取り組みをきっかけに広報活動も活発化し、加速しています。「コラボできた」「パーティーも開催できた」という経験や、直接お客様に魚を楽しんでもらう活動が、自信につながりました。
改めて「私たちがやりたかったのは、魚を食べる喜びを広げることだったんだ」と実感でき、社内はもちろん、メディアやお披露目会の参加者など多くの方とつながれたことも、本当に貴重な経験です。

平良(エイトデザイン/ハチカフェ):店頭に掲示したポスターや阿佐ヶ谷店の外張りにより、「こんな商品もあるんだ」と新しいお客様が足を運ぶきっかけになりました。何より、サンドイッチのリピート率が非常に高く、通常は月替わり商品でも常連のお客様が1〜2回試す程度なのに、今回は多い方で5回も注文されるほどの反響でした。
ハチカフェでは日頃から、お客様との会話を大切にし、タルトなどの商品について開発者の想いやストーリーを積極的に伝えています。今回のコラボでは、神の海老という覚えやすいネーミングや、加工・物流・サステナビリティの情報まで共有していただき、自然な会話の中で商品ストーリーを伝えられました。その結果、お客様との会話も弾み、安心・安全やサステナブルといった価値も受け入れられやすく、大きな効果を実感できました。

挑戦と想いをつなぐ、これからの歩み。

今後の展望はありますか?

横内(東洋冷蔵):今回のカフェコラボは初めての取り組みだったので、今まで接点がなかった会社さんとのコラボレーションが、また新しい変化を生むきっかけになるかなと思っています。より多くの方にTOREIの魅力が伝わるよう、今後もこうした取り組みを続けられたら嬉しいです。

小関(東洋冷蔵):ぜひ次回も開催したいです!今回はサーモン・エビ・パンガシウスの3種類でしたが、TOREIにはまだまだ自慢のお魚がたくさんあります。マグロやサバなど、他の食材にも広げていけたらと思います。

平良(エイトデザイン/ハチカフェ):ハチカフェとしても、またぜひ挑戦したいです。素材の幅を広げつつ、営業の方からのアドバイスも取り入れながら仕込むことで、さらに美味しくお客様にお届けできると思います。

小関(東洋冷蔵):TOREIはこれからも安心・安全で美味しい水産物を提供し、より多くの方に魚を身近に楽しんでいただける取り組みを続けていきます。海の恵みを未来へつなぐために、魚食の楽しさや魅力を広げることに、これからも力を入れていきたいです。

平良(エイトデザイン/ハチカフェ):カフェやレストランは、お客様に一番近い場所で“食”を届ける場。
今回のコラボを通じて、生産者や加工・流通など多くの人の手を経て食が届くこと、その過程を伝える大切さを改めて実感しました。
私たちは「食を楽しむ」ことを何より大切にしており、今後もその想いを共有できる企業と一緒に、新しい場づくりに挑戦していきたいと思います。
ハチカフェの強みは、小規模だからこそのフットワークの軽さです。「こんなことできますか?」とお気軽にご相談いただければ、季節イベントや親子向けワークショップはもちろん、採用企画のような施策にも柔軟に対応できます。

最後にーー

東洋冷蔵様、この度は本当にありがとうございました。
今回のような企業様とのコラボレーションは、私たちにとっても初めての挑戦であり、試行錯誤の連続でした。しかしその中で、東洋冷蔵様が大切にされている「魚食文化を未来へつなぐ」という想いに深く共感し、その発信のお手伝いができたことを大変嬉しく思っています。 今後も、同じようなお悩みを抱える企業様やブランドの力になれるよう、カフェという場を活かしたコラボレーションを積極的に広げてまいります。