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まちづくりコラム:かつての商業ビル跡地、街にひらかれた広場へ「Meieki Parklet」


今回のまちづくりコラムでは、名古屋駅南エリアの「Meieki Parklet(メイエキパークレット)」で実施された2つのまちづくりイベントについてご紹介します。

名古屋駅南エリアの一等地、かつて「遊び」「憩い」「街の入り口」として親しまれた商業施設・名鉄レジャックの跡地が、現在、期間限定の都市型広場「Meieki Parklet(メイエキパークレット)」として生まれ変わっています。
名鉄都市開発株式会社(以下敬称略)が整備を行うこの場所では、街のハード整備にとどまらず、地域の人々とともに都市の魅力を育む「ソフト面のまちづくり」にも取り組んでいます。

その舞台で2025年11月、名鉄都市開発社内有志によって発足した「MCDまちづくり研究会」とエイトデザインが協働し、2種類のまちづくりイベントが開催されました。

1つ目は「POP BY OUR PARK」内で実施された「Chalk Up the ‘MEIEKI’ Future」。
アスファルトの上に街への想いや夢を描くアウトドアチョークアート企画で、名古屋モード学園の学生による巨大アートも登場しました。特殊な蛍光チョークを用いたライトアップも行なわれ、昼から夜まで多くの来場者が楽しめる体験となりました。
→「POP BY OUR PARK」の詳細はこちら

2つ目は「MEIEKI RELAXIN’ NIGHT~都会の夜に、ひとやすみ~」。
焚き火の温かな炎や心和むジャズ演奏、そして美味しい食事を楽しむ都市型の夜イベントです。
焚き火を囲むことで世代や立場を超えた交流が自然に生まれ、都会の喧騒を忘れるひとときを提供しました。
→「MEIEKI RELAXIN’ NIGHT~都会の夜に、ひとやすみ~」の詳細はこちら

この2つのイベントを通じて、名鉄都市開発とエイトデザインが協働し、まちづくりの実践を街の中で具体化することができました。
本記事では、その企画・運営に携わった両社の参画メンバーにインタビューを通して、イベントの裏側や、まちづくりに込めた想いをご紹介します。

目次

 
 

若手主体で始まった「MCDまちづくり研究会」とは

―まずは、MCDまちづくり研究会について教えてください。

板津(名鉄都市開発):2025年4月、名鉄都市開発社内の有志によって「MCDまちづくり研究会」を立ち上げました。
この研究会は、ハード整備にとどまらない「ソフト面のまちづくり」を、若手主体で実践しながら学ぶことを目的としています。
ちょうどそのタイミングで、名古屋駅の一等地に自社保有の開放スペースが生まれました。
この場所を起点に、まずは小さくても何か仕掛けてみようということで、Meieki Parkletでのイベントを企画・実施することになりました。

名駅の一角で生まれた、2つの体験型イベント

―今回のイベントはどのようなものだったのでしょうか。

梅村(エイトデザイン): 「POP BY OUR PARK」の中で「Chalk Up the ‘MEIEKI’ Future」というチョークアート企画を担当しました。
来場者がアスファルトに“街の地図”を描くように、メイエキへの想いを自由に描くイベントです。
名古屋モード学園の学生による巨大アートも展示され、夕方からは特殊な蛍光チョークをライトアップして楽しめる仕掛けもありました。

藤井(エイトデザイン):もう一つは「MEIEKI RELAXIN’ NIGHT~都会の夜に、ひとやすみ~」です。
焚き火やジャズ演奏、美味しい食事を通じて、都会の喧騒を忘れるひとときを提供しました。
焚き火を囲むことで、初対面の人同士が自然に会話する場面も生まれました。

「名駅で、ほっと一息」─アイデアはどこから生まれたのか

―イベントの着想はどのように生まれたのですか。

後藤(名鉄都市開発):もともとは、入社1年目のメンバーのアイデアがきっかけでした。
「名駅でほっと一息つける場所をつくりたい」という話をしていた中で、「キャンプファイヤーはどうですか?」という提案が出て、みんなで「それ、いいね」と盛り上がりました。

藤井(エイトデザイン):私自身、趣味でさまざまなイベントを巡っているのですが、最近訪れたイベントで焚き火を取り入れている企業と出会いました。
その方たちがとても魅力的で、「この方たちと一緒にできたら、きっと良い場になる」と感じ、声をかけさせていただきました。

想像を超えた反応と、“場の力”を感じた瞬間

―実施してみて、どのような手応えがありましたか。

梅村(エイトデザイン):想像していた以上に多くの方にお越しいただき、とても驚きました。
オフィス街という立地から、ファミリー層の来場は難しいのではと思っていたのですが、実際には多くのご家族連れにも足を運んでいただけました。
中でも、「道路にチョークで書くのがちょっと夢でした!」と書いてくださった方のメッセージが強く印象に残っています。
心から「やってよかった」と感じた瞬間でした。

石田(名鉄都市開発):私も開催前は、どれくらいの方に来ていただけるのか不安がありました。
チョークアートについては、もともと協業出店者さんが企画していたアイデアがあり、それとの相乗効果を狙って進めていました。
ただ、事情によりその企画が実現できなくなり、チョークアート単体で成立するのか不安もありました。
そんな中で、想定していなかった男性の会社員の方にもチョークアートに参加していただけたことが、とても嬉しかったです。
日常の中に、ほんの少しでも平和で穏やかな時間をつくることができたのではないかと感じています。

藤井(エイトデザイン): 焚き火イベントも、立地上「人が滞留しにくい場所」という印象がありましたが、自然と人同士の交流が生まれていく様子がとても印象的でした。
学生さんとご高齢の方、初対面の女の子同士が焚き火を囲んで会話している光景を目にして、「場の力」を強く実感しました。
帰り際におばあちゃんから「今日は楽しかったよ」と声をかけていただき、本当にやってよかったと思いました。

会社を越えてつくる場づくりの面白さ

―名鉄都市開発とエイトデザインで一緒に取り組んでみて、いかがでしたか。

板津(名鉄都市開発):エイトデザインさんが、設計やデザインの専門性を活かしながら、外に向けたまちづくりを実践されている会社であることは以前から知っており、期待していました。
今回はスペシャリストの方を2名アサインしていただき、その期待を超える活躍をしていただけたと感じています。

藤井(エイトデザイン):入社1年目ということもあり、外部の会社と一緒に取り組むことに最初は不安もありましたが、その不安を感じさせないほど温かく受け入れていただき、楽しく参加することができました。
最後の片付け後、深夜にみなさんと一緒にコンビニで買って飲んだビールが、とても美味しかったのも良い思い出です(笑)。

後藤(名鉄都市開発):本当に美味しかったですね(笑)。
イベントは企画も実行も大変でしたが、エイトデザインのお二人には多くの場面で支えていただき、とても助かりました。
また、キービジュアルを制作いただき、そのデザインが醸し出す世界観が会場づくりのコンセプトともマッチして、雰囲気づくりに大きく貢献していただいたと思います。

梅村(エイトデザイン):名鉄都市開発のみなさんは、数多くのプロジェクトを経験されているだけあって、仕事の段取りや進め方がとても上手で、私自身とても勉強になりました。

石田(名鉄都市開発):エイトデザインの方々をはじめ、関係者のみなさんと協力しながら、一つのものをつくり上げていく楽しさを学ぶことができました。
普段はマンション建築の企画業務を担当していますが、今後は地域のまちづくり団体とも積極的に関わりながら、地域の方にも喜ばれるまちづくりをしていきたいと感じています。

最後にー

今回の2つのイベントを通じて見えてきたのは、まちづくりは大規模なプロジェクトだけでなく、小さな試みや若手のアイデアからも新しい賑わいや交流が生まれるということです。チョークアートでは、多くの来場者が思い思いのメッセージや絵を描き、普段は出会わない世代同士の会話が生まれました。焚き火を囲む夜のひとときも、学生や会社員、ご高齢の方など多様な人々が自然に集い、交流の輪を広げていました。

名鉄都市開発の皆さんとエイトデザインが協働する中で、企画の立案から運営までを一緒に進めることで、関係者同士の学びや信頼も育まれました。普段は建物の企画業務に携わるメンバーも、地域に喜ばれる場づくりの可能性を体感し、今後に活かせる気づきを得ています。

街や地域の魅力は、こうした小さな挑戦の積み重ねから広がっていきます。今回の経験は、場所に限らず、さまざまな都市空間や地域で、人と人をつなぐまちづくりの可能性を示すものでした。