
エイトデザインは、このたび新拠点「EIGHT BASE UNGA」を開設し、本社機能を移転しました。
今回の移転は、単にオフィスを新しくするためのものではありません。私たちがこれまで住宅や店舗、オフィス、リノベーション、まちづくりを通して大切にしてきた考え方を、自分たち自身の働く場所で実践するプロジェクトでもあります。
新拠点となるEIGHT BASE UNGAは、運河沿いの倉庫を活かした空間です。この場所が持つ風景や歴史、建物の魅力を読み解きながら、新しい働き方や地域とのつながりを生み出す拠点として計画しました。
私たちは建築を、建物を完成させることだけではなく、人の暮らしや働き方、そしてまちとの関係を育てていくものだと考えています。
この記事では、EIGHT BASE UNGAをつくることになった背景や、この場所に込めた思い、そして私たちが目指すこれからの建築のあり方についてご紹介します。
エイトデザインはこれまで、住まい、店舗、オフィス、公共性のある場づくりなど、多様な建築・空間づくりに携わってきました。
そのなかで大切にしてきたのは、単に美しい空間をつくることではなく、その場所でどのような時間が生まれ、どのような人の関係が育ち、どのような価値がまちに広がっていくのかを考えることです。
一方で、自社のオフィスについても、働く人数や事業領域の広がり、プロジェクトの多様化に伴い、従来の執務空間だけでは表現しきれない役割が求められるようになっていました。
設計やデザインを行う場所でありながら、打ち合わせ、実験、展示、発信、交流、採用、学びといった多様な機能を受け止められる場所。
そして、エイトデザイン自身の価値観や建築への考え方を、来訪者や地域に対して開いていける場所。
そうした必要性から、新たな拠点として「EIGHT BASE UNGA」の計画が始まりました。


「EIGHT BASE UNGA」は、エイトデザインの本社機能を担うだけでなく、建築・デザイン・地域との関係を考えるための実験拠点として位置づけています。
ここでは日々の設計業務やプロジェクトの打ち合わせに加え、素材や空間の検証、展示、イベント、勉強会、地域との接点づくりなど、多様な活動を展開していきます。
建築会社のオフィスは、完成した成果物を見せるだけの場所ではなく、考え方やプロセスそのものがにじみ出る場所でもあります。
EIGHT BASE UNGAでは、エイトデザインがこれまで大切にしてきた「つくる前の対話」「場の可能性を見つける視点」「既存の価値を活かす設計思想」を、自社の拠点そのものを通じて表現していきます。
シェアオフィスには、ビリヤード台、麻雀卓、ポーカー台、ダーツマシンを常設し、ゲームを通じたコミュニケーションが新しいアイデアや仕事につながる関係性を生み出すことも意図しています。


EIGHT BASE UNGAの建築において重視したのは、運河沿いにある既存の環境や建物の文脈を受け止め、それを新しい働く場へと読み替えることです。
新築のようにすべてを刷新するのではなく、そこに残る構造、素材、光、抜け、時間の痕跡を活かしながら、今のエイトデザインに必要な機能と空気感を重ねていきました。
それは、エイトデザインがこれまでリノベーションや場づくりの中で大切にしてきた姿勢とも重なります。
古いものを単に残すのではなく、そこにある価値や意味を見つけ直すこと。
新しいものを加えることで、既存の魅力をより引き立てること。
建築を完成した瞬間に閉じるのではなく、使われながら変化し、育っていく余白を残すこと。
EIGHT BASE UNGAは、そうした考え方を自社の拠点として実装した場所です。



EIGHT BASE UNGAが立地する運河沿いのエリアには、都市の中心部とは異なる独特の魅力があります。
水辺の開放感、倉庫や物流の記憶、工業的な風景、そして少し余白のある時間の流れ。効率や利便性だけでは測れない、都市の奥行きが残る場所です。
エイトデザインは、この場所に拠点を構えることで、建築やデザインがまちとどのようにつながることができるのかを、自らの実践として問い続けていきます。
オフィスを閉じた働く場所としてではなく、周辺環境と関係しながら、訪れる人や地域に少しずつ開いていく場所として運用していくことを目指しています。
将来的には、建築相談、展示、イベント、ワークショップ、地域との協働などを通じて、EIGHT BASE UNGAを「まちに開かれた建築の入口」として育てていきます。
エイトデザインが手がける建築や空間づくりは、単に建物をつくることではありません。
住まいであれば、家族の暮らし方が変わること。店舗であれば、事業の魅力が伝わり、人が集まること。オフィスであれば、働く人の意識や関係性が変わること。リノベーションであれば、使われなくなった場所に新しい役割が生まれること。
建築は、暮らしや仕事、まちのあり方を変えるきっかけになり得ます。
EIGHT BASE UNGAは、その考え方をエイトデザイン自身が実践し、発信していくための拠点です。
自分たちの働く場所を通じて、建築の可能性を問い直し、これからの暮らし方、働き方、まちとの関係を考えていきます。

EIGHT BASE UNGAの1F・2Fには、レストラン「CANARIA」が入居しています。
CANARIAのデザイン・設計・施工も、エイトデザインが手がけました。
オフィスや設計拠点としての機能だけでなく、一般の方が訪れ、食事を楽しみ、運河沿いの時間を過ごせる場所が同じ建物内にあることは、EIGHT BASE UNGAの大きな特徴です。
建築を考える場所でありながら、日常的に人が集まり、会話が生まれ、まちとの接点が育っていく場所でもあります。
CANALIAは、EIGHT BASE UNGAを閉じたオフィスではなく、地域に開かれた拠点として機能させるための重要な要素です。
空間づくりにおいては、建物が持つ既存の表情や運河沿いの環境を活かしながら、食事の時間が自然と風景とつながるように計画しました。
エイトデザインは、EIGHT BASE UNGAとCANALIAを通じて、働く場所、食を楽しむ場所、まちとつながる場所が重なり合う、新しい建築のあり方を実践していきます。



EIGHT BASE UNGAでは、エイトデザインの本社機能としての運用に加え、今後さまざまな取り組みを展開していく予定です。
建築やリノベーションに関する相談会、素材や家具の展示、暮らしや働き方をテーマにしたイベント、地域と連携した企画などを通じて、専門家だけでなく、住まいや空間に関心のある一般の方にも開かれた場所を目指します。
また、自社のプロジェクトや設計思想を発信する場としても活用し、エイトデザインが考えるこれからの建築・デザイン・まちづくりのあり方を、継続的に伝えていきます。


