今回のまちづくりコラムのテーマは、店舗移転に伴うリブランディングについて。
学生やオフィスワーカーが多い札幌市中央区で10年間「カレーとフレンチトーストのお店 THE END CAFE」を営んでいた鎌田さんは、お子様が産まれたタイミングで、奥様の実家近くの岐阜県土岐市へと移住を決めました。
営業する土地が変われば、ターゲットとする客層も変わります。
自信のあるフードメニューはそのままに、土地に合った新たな店へ。
移転を機に店名を「北海道カリー、時々フレンチトースト。tokiori」に変え、リブランディングすることになりました。
→ 施工事例(1F 店舗部分)はこちら
→ 施工事例(2F 住居部分)はこちら
エイトデザインは、設計・施工とロゴデザインを担当。本記事では、引き渡しから1年を経たタイミングで、オーナーの鎌田さん(以下敬称略)にお話を伺いました。
エイトデザイン: 1階が店舗、2階が住居という店舗兼住宅を購入して、フルリノベーションされました。1階は住居部分も含めて72㎡ということで、店舗の広さは約50㎡。4名掛けの席と、2名掛けの席が4つと、カウンターが5席あるので、全部で17席のキャパシティーです。
鎌田: 「tokiori」は夫婦2人で営業していく予定だったので、こういうレイアウトにしたい、というのは設計の最初の段階で伝えさせていただきました。
エイトデザイン: 当時は札幌にお住まいで、リモートでのお打ち合わせは不便なところもたくさんあったかと思いますが、実際どうでしたか。
鎌田: 打ち合わせはzoomやLINEがありますし、日常的にやりとりできるので、特に不便さは感じませんでした。施工が始まってからは、実際に自分の目で工事中の現場が見られなかったのがちょっと残念でしたね。近所に住んでいたら、出来ていく過程を頻繁に見に行きたかったです。
エイトデザイン: 今回、内装のイメージを一新されています。若い女性客が多かった札幌のお店は、サーモンピンクの壁がトレードマークのポップな印象であったのに対し、「tokiori」は、無骨な雰囲気のあるモールテックスで仕上げた大きなカウンターを中心に、シックな印象です。客層の変化はいかがですか。
鎌田: 札幌の店よりも10歳くらい年齢層が上がったイメージでしょうか。オープン前からインスタグラムをフォローしてくださったり、地域の方がたくさん応援してくれています。ここは車移動がメインの地域なので、多くのお客様は車でお越しいただきますが、落ち着いた雰囲気の近所のお客様が半分、市外や名古屋からも足を運んでくださる方が半分、という感じです。北海道出身の方が来店されて声をかけてくださる、ということもありますね。すごく嬉しいです。
エイトデザイン: インテリアはオーナー自ら、ヴィンテージ感のあるテーブルや椅子をセレクトされています。グレーを基調にした空間にうまく木の素材を取り入れることで、無機質になりすぎず、落ち着いた雰囲気と温かみの両立したお店になりました。
エイトデザイン: 今回岐阜に移られるにあたって、店舗兼住宅を選ばれたのにはどんな理由がありますか。
鎌田: いつかは妻の実家の近くに、という思いがあったんですが、移転を本格的に計画しだしたのは子供が産まれたタイミングだったんです。私は朝から閉店までお店にいたので、家に帰ると22時くらいになってしまいます。そうなると、子供は寝ているから朝しか顔を合わせられないという日々で。これからも長くお店をやっていきたいと思ったら、店舗兼住宅の形が理想的かなと。高いテナント料を払い続けるよりは、買ったほうが資産にもなる、というのもポイントでした。
エイトデザイン: 店舗兼住宅に住んでみて1年が経ちましたが、働き心地、住み心地はいかがですか。
鎌田: 圧倒的に時間を有効に使えます。店舗に仕込みに行くのも、階段を降りればいいわけで、通勤時間はゼロになりました。忘れ物をしてもすぐに取りに帰れます。うちみたいに子供が小さかったりする方は家族の時間が増えますし、店舗兼住宅はとてもおすすめです。
エイトデザイン: 「tokiori」のロゴも今回新たにエイトデザインで作りました。文字の形やイラストの雰囲気など、少しの違いでだいぶイメージが変わるロゴ作り。そのお打ち合わせはだいぶ難しそうだなと思うんですけれど、いかがでしたか。
鎌田: ロゴはゼロから作り上げていったので、結構時間がかかりました。女の子を使ったロゴにしようと方向性が決まってからも、細かいタッチや自分が思い描く雰囲気が伝わらなかったりもして、ちょっと苦労しました。
エイトデザイン: イメージしているものを共有しながら具現化していくのはすごく難しいと思いますが、お店を代表するものなので妥協はせずに、こだわって進めたところですね。
鎌田: 女の子の髪の長さだったり、ロゴの丸み、フォントもいろいろな種類を提案してもらいました。
エイトデザイン: フレンチトーストを注文すると、お皿の隅にかわいい女の子がいます。
鎌田: このシルエットに、食べ終わったら目や口を書いてくれたりするお客様もいらっしゃいます。みなさんに愛されるロゴになって、とても満足しています。
エイトデザイン: これから店舗兼住宅を考える方だったり、リノベーションを選ばれる方、エイトデザインを検討されている方々に、経験者からのアドバイスをぜひお願いします。
鎌田: エイトデザインのデザインや発信力、マーケティング力がすごく頼もしいので、ご検討中の方はぜひ一度連絡してみてください。
エイトデザイン: エイトデザインは「応援する」というのをモットーとして掲げているので、これからも応援し続けさせてください。「北海道カリー、時々フレンチトースト。tokiori」は、岐阜県土岐市にあります。中央自動車道(高速)土岐インターから約5分、国道19号のコメリさんの裏手。少しわかりづらいので、google mapでナビしていただいて、ぜひお越しください。ありがとうございました!
LOCATION 岐阜県土岐市泉町定林寺70-1
Instagram tokiori2023