
今回のまちづくりコラムのテーマは、「ブランド再構築としてのリノベーション」について。
1983年創業の人気ベーカリー「ベーカリーハイジ」。
売場面積が9坪という小さなお店ながら、地元で絶大な人気を誇るベーカリーです。
長年営業する中で、スタッフオペレーションと顧客の動線に問題が出てきたため
店舗の改装と、合わせてロゴなどのグラフィックの一新を依頼いただきました。
本記事では、オーナーシェフの宮下さん(以下敬称略)にお話しを伺いました。
エイトデザイン:リノベーションを依頼したきっかけを教えて下さい。
宮下:以前の店舗はロゴや看板に統一性がなく、それを改善したくて問い合わせをしました。そんな中、「かっこいいな」と思うパン屋を辿っていたらエイトデザインの過去の事例がヒットしたんです。ブランド力があるプロにお願いしたかったのも決め手の一つで、勇気を出して問い合わせをしました。
リノベーション前の外観。
宮下:元々は看板の掛替のみの予定だったんですが、店舗プロデュースに特化したスタッフさんも交えて打ち合わせを重ねる中で課題が色々見えてきたんです。
エイトデザイン:どのような問題があったのか、改めてお聞かせください。
宮下:リノベーション前は中央に大きなカウンターがありましたが、それがお客様とスタッフの動線を妨げていました。実際に店内の1番狭い通路の幅は50cmしかなく、お互いにすれ違うことができないといった状況でした。

宮下:そこで、リノベーション後は店内中央にあった大きなカウンターを撤去し両側に分散配置してもらいました。お客様が店内をぐるぐる回りやすくなり、商品を選びやすい動線を確保することができました。また、厨房からすぐに陳列できる場所にカウンターを新設したことにって作業効率が上がり、焼きたてをより早く並べられるようになったのも嬉しいポイントです◎


エイトデザイン:今回のリノベーションで最も時間をかけたのは「ロゴ」でしたよね。
宮下:ロゴはハイジの一番人気である“クレセント”をモチーフにしているんですが、最初からこの結論に至ったわけではなくて…。商品をロゴにするということは、その商品を“看板商品”として育て続ける覚悟が必要でした。
けれど、
“スタッフが誇れる唯一無二の商品であること”
“「ハイジといえばこれ」と伝わる、わかりやすさ”
“ロゴが写真に写りやすく、SNSで広がりやすい”
これらの理由から、クレセントをロゴに採用する決断をしました!


実際にロゴ入りショッパーの人気は高く、普段はマイバッグ派のお客様が「ショッパーが欲しくて」あえてバッグを持ってこないこともあるのだとか。
エイトデザイン:リニューアル後、売上はいかがでしょう?
宮下:リニューアル直後は売上約20%UP。年間を通しても15%ほど上昇しました。相談前は予算面が心配でしたが、今では“やってよかった”の一言に尽きます。パンを置くスペース自体は少し減ったものの、できたてを提供できる回転率が上がったので結果的にはお客様にとってプラスに◎また、増築していないにも関わらずリオープン後に最初にいただいたのは「広くなった!」という嬉しいお声でした。
リノベ後はカウンター越しにスタッフが常駐する設計となり、お客様とのコミュニケーションも取りやすくなったとのことです!
看板の掛替からはじまったご相談が、ブランドの軸づくりから店内動線の改善、そして売上向上につながるリノベーションへと発展しました。
宮下さんからは「また店舗を出すときは、間違いなくエイトデザインにお願いしたい。信頼できます。」とありがたいお言葉をいただいております。
ベーカリーハイジのinstagramアカウントはこちら:@heidi_bakery