今回のまちづくりコラムのテーマは、⾼架下空間の活⽤について。
エイトデザインが企画・デザインに関わって2020年春オープンしたJR中央線阿佐ヶ谷駅・⾼円寺駅間⾼架下の商業施設【alːku(アルーク)阿佐ヶ谷】。親⼦向けのスクールや飲⾷店など「⾷」「学び」を通して、⼦育て世代を応援するコミュニティ空間です。エイトデザイン東京オフィスと⾃社で運営するハチカフェ阿佐ヶ谷店もここにあります。
参考サイト
・alːku阿佐ヶ谷公式サイト
・エイトデザインまちづくり施工事例:alːku阿佐ヶ谷
alːku 阿佐ヶ谷はもともと阿佐ヶ谷アニメストリートだったところをリニューアルした場所です。どんな経緯でリニューアルしたのか、そして現状や今後について、担当した株式会社ジェイアール東⽇本都市開発 事業推進部 広瀬⽂隆さんにお話を伺いました。
エイトデザイン:阿佐ヶ谷⾼架下再開発プロジェクトの経緯を教えてください。
広瀬:JR阿佐ヶ谷駅・⾼円寺間⾼架下には2014年〜2019年まで阿佐ヶ谷アニメストリートというサブカルチャーに特化した商業施設がありました。ただターゲットが絞られすぎて限られた⼈しか利⽤しない施設になってしまっていたのが課題でした。阿佐ヶ谷〜⾼円寺間は駅から駅まで濡れずに歩ける珍しい⾼架下。当社としても⼤切にしたい場所なので、そこに暮らす⼈に喜ばれる、地域貢献ができる場所に変えたいという思いがありました。
広瀬:当初は地域貢献という漠然としたイメージでしかなかったのですが、企画を進めていく中でターゲットを地域に住む人たちシフトして、住んで楽しい、歩いて楽しい街にしようと。
具体的には⼦育て世代を応援できるような場にしたいという考えに⾄りました。
エイトデザイン:このプロジェクトにエイトデザインが関わることになったきっかけを教えてください。
広瀬:親⼦をテーマにしようとなって、エイトデザインが運営していた親⼦カフェ【エイトパークカフェ】やインテリアショップ【エイトタウン】を視察しました。コミュニティの作り⽅、発信の仕⽅、地域との関わり⽅、そして何よりお客様がファンになっているのが良いなと思い、共感しました。ハコを作って終わりという考え⽅を変えないといけなかったので、コミュニティづくりの実績もあるエイトデザインさんと⼀緒にやりたいと思いました。
広瀬:ここだけの話、アニメストリートという作って間もないものをまた再開発するにあたって、なるべく費⽤を抑えたいという思いもありました。エイトデザインさんにはなるべくコストをかけずにイメージUPする⼿腕にも期待していました。
エイトデザイン:実際にalːku阿佐ヶ谷ができてみていかがでしたか?
広瀬:既存の建物をうまく⽣かしつつ、外壁やサイン、外構でイメージを⼀新できてとてもよかったです。
*デザインテーマは▲■●。阿佐ヶ”⾕”(▲)と⾼”円”寺(●)の間にある場所(■)というイメージで外観をデザインしている
広瀬:ただオープンした2020年4⽉はちょうど新型コロナウィルスの緊急事態宣⾔が出たタイミングで、⼤々的にオープンすることができませんでした。そんな中でハチカフェ阿佐ヶ谷店もテイクアウトのみという形態での営業でしたが、スタッフみんなが笑顔ですごく元気をもらえるお店になりましたね。alːku の核となる店舗として、他のお店にもいい影響があって。クラウドファンディングもスピード感も含めてすごく良かったです。
参考サイト
・ハチカフェ
・ハチカフェ阿佐ヶ谷店クラウドファンディング
広瀬:ハロウィンイベントでテナントと街も巻き込んでコミュニティーを作ってもらえたのもありがたいですね。街に染み出す動きをしてもらったのがすごく良かった。⼈の魅⼒がお店の魅⼒、街の魅⼒になっていったと思っています。
エイトデザイン:御社が他のエリアで手掛けているまちづくりと今回のまちづくりでは考え⽅の違いはありますか?
広瀬:地域の⽅に喜んでいただくということは共通ですが、⽇⽐⾕、秋葉原、両国などの都⼼型のまちづくりは世界の⽅(インバウンド)を含めてどう発信するかを意識しています。ここ阿佐ヶ谷のような郊外型のまちづくりでは、住んでいる⼈にずっと愛される場を⽬指していますね。
エイトデザイン:今後どのような施設にしていきたいなどの展望はありますか?
広瀬:⾼円寺側にもゾーンを拡張してこの良さを広げたいという思いがあるので、なんとか実現したいですね。まだまだ私⾃⾝も気づけていない地域の魅⼒があると思うので、宝になるものに気づいて拾い上げて広げて発信していきたいと思っています。
広瀬さんありがとうございました。
エイトデザイン⾃体もここを拠点にしていることで、本当にたくさんの繋がりができました。昨年には美容室もオープンして⼩さなお⼦様連れのお客様が利⽤できるようになりました。お客様とオーナーのこどもさんも仲良くなって、暮らす⼈だけでなくここで働く⼈にとっても楽しい場所になっているようでとても嬉しく思っています。
コミュニティづくりの強化によって、これからもより楽しい場に育てていけるまちづくりを⽬指していきます。