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まちづくりコラム:「地域を食べる、地域をアゲる、地域へ還す」@名鉄商店


 
愛知県・岐阜県の事業者と協業して開発した、完全オリジナル商品だけを販売する土産店「名鉄商店」が名古屋駅前にオープンしました。
 
「地域を食べる、地域をアゲる、地域へ還す」
 
地域の魅力・価値を発信し、人々を地域に運ぶことを目指す街づくりプロジェクト。
エイトデザインは企画ブランディング、設計施工、商品開発サポート、パッケージデザイン、サインデザイン、WEBデザインに携わらせていただきました。
 

プロジェクトの背景
 
東海エリアで鉄道やバスが走り、地域に広く親しまれている名古屋鉄道。
沿線・地域の活性化における小売事業の強化として、名鉄グループ一体で取り組まれたプロジェクトですが、実は若手社員による社内コンペから生まれました。
 
ライフスタイルが多様化し、変化の早い顧客ニーズを汲み取るために若い世代の感性に着目。Z世代に該当するグループ内の社員による社内コンペを経て、企画から商品開発、運営まで進めていきました。
 

「うれしいを、アゲる。」
 
商品コンセプトの「アゲる」には贈り物をすること、価値を高めることを意味しています。
プレゼントをアゲて、地域の魅力・価値をアゲる。
 
デザイン性・希少性・エピソードなど贈り物に「うれしい」要素、そして地域の新たな魅力・価値を再発見する楽しさを創出するため、沿線地域の老舗から話題の人気店まで約70社とコラボしたオリジナル商品を取り揃えています。
 

老舗と新興による、唯一無二の商品とストーリー
 
伝統と歴史を長年受け継いできた老舗企業と、次代の老舗となるべく話題の「新興企業」による商品展開。
中には事業者同士を引き合わせ、「老舗」×「新興」による唯一無二の商品も開発しています。
 

 
ここでしか買えない希少性とデザインにこだわったパッケージ。
そして商品それぞれにストーリーがあり、商品カードのQRコードから閲覧できます。
 
一般的な土産店ではPOPを大きく打ち出していますが、名鉄商店ではあえてPOPを減らし、店頭スタッフがお土産コンシェルジュとしてストーリーを語ります。
直接伝えることで価値を感じて購入してほしいという想いから、POPに頼らず、お客様とのコミュニケーションを大切にしています。
 

 
店内は入って左側が白色、右側が黒色と色で分かれており、
白色=老舗企業
黒色=新興企業
の商品を陳列しています。
 


 
老舗側の内装は、テラゾータイルや檜など日本建築で伝統的なものを取り入れ、一方新興側は、クロメートめっき鋼板やアクリルなど建築的には新しい素材で、新旧が左右で分かれた空間としています。
 

名鉄商店が出店している名鉄百貨店メンズ館は1967年竣工の谷口吉郎による名建築。
50年以上この建物を支えてきたコンクリート柱を御神体として見立て、しめ縄で過去と未来を結ぶ場所となることを祈願しています。
 

Instagramによるデザイン公募プロジェクト
 
愛知県・岐阜県の10酒造のご協力により開催した「日本酒ラベルデザイン大賞」。
受賞作品はラベルデザインを商品化、大賞は名鉄商店の専属デザイナーになれるという夢のあるプロジェクト。
 

 
開業前から話題性を生み出し、認知を高めるとともに、日本酒離れしてしまっている若者たちが気軽に購入しやすいパウチタイプの「ポケットに入る日本酒」を開発しました。
 
 
オープン時は手軽さと訴求しやすさから「食」に関する商品展開でしたが、今後はモノづくりの地域性を活かした商品も視野に入れているとのことで、次はどんな出会いがあるのかとても楽しみですね。
観光客も、名古屋で暮らす人たちも楽しめる、名古屋の新スポットとしてぜひ、機会がありましたらお立ち寄りください!